あれから一年がたった…
きうま少年はあの日を振り返る。
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動画編集を終えて
きうま少年は、ひとりレッドオーシャンを眺めていた。
「あの石ころを投げ込んでも、この海には波紋のひとつ広がりやしないのか」
きうま少年が投げた「渾身の一投」は、この海に沈むどころか跳ね返ったのであった。
「カッチカチだな!」
分かっていた話しである。
しかし、実際に行動して反応を見たいと思う気持ちは
結果として辛さを浮き彫りにするだけであった。
レッドオーシャンは答えた。
「すべての海が、お前の石を受け入れるとは限らないと言うことだ」
「なるほど。ならば俺がお前を受け入れるまでだ!石ころだろうが、海だろうが、俺にとっちゃ手のひらサイズよ!」
きうま少年は海水をすくおうと手を差し出すが、足が前に進まない。
赤く染まった海を前にして、無意識に痛みを避ける自分がいた。
「君さあ、早く食べてくれる?麺が伸びちゃってるじゃん!」
強面の店長はキレ気味に言った。
迷っている暇はない。
店長の情熱が、きうま少年の体をたぎらせる。
店を後にしたきうま少年は思った。