もう、何度もなぞらえてきた。
二十代の頃ならともかく、おっさんとなった僕には、またゼロからはじめる気力なんてあるはずもない。
いやあ、随分と貧弱な積み木の上に立っていたものだ。
会社がひと吹きするだけで簡単に吹っ飛ぶ。
恐らくは厚紙で出来ているのだろう。
そう、自分の重量な。
また新たに積み木を重ね上げ、
そして屋根を乗せるとき、
また宣告されるのだろう?
「君には色々な経験を積んでほしい」と。
冗談じゃない。
そうだ!
僕の積み上げたいものは、
そんな、すぐに吹き飛ぶものではなく。
どんな嵐にも動じることのない、
潤沢な札束の山なのだ。
いや違うな。
違うってこともないけど、そうじゃないな。
生涯に渡り、
誰に侵されることのない、
終わりなき探求というものだろう。
それだ!
そうか、
だから僕は、
写真や映像を撮るのに夢中なのか。
だからこんなに、
カメラは楽しい。
なんつって。
ご観覧ありがとうございました。
ほんならまただわ!