「SIGMA 30mm F1.4 DC DN」に関するレビュー記事となります。
今回は、実際に撮影した写真を掲載しながら、本レンズの描写についてお伝えします。
本記事に掲載している写真は、α6500を使用し、ピクチャープロファイル経由のJPEG撮って出しデータをもとに、後処理は、リサイズ、露出のみの調整にとどめています。
これは、良くも悪くも「レンズ性能そのまま」をなるべく損なわない形で掲載するためです。
皆さんにとって、レンズ選びの参考のひとつになれば幸いです。
f1.4 1/1600sec iso100
シャープさについて
絞り開放からシャープで、現代的なレンズのそれです。
絞ると更に鋭くなる印象。
ピント面が異常にカリッとしていることがあります。
絞ったときの解像度はかなり高いと感じました。
f1.4 1/1600sec iso100
ボケについて
柔らかい印象。
前ボケは円形に渦巻くような流れができます。
「SIGMA 16mm F1.4 DC DN」や「SIGMA 56mm F1.4 DC DN」に共通する、綺麗に整った美しいボケ味です。
軽く絞って撮ると、ピント面は鋭く、ボケは柔らかい
「外カリッと、中フワッ」みたいな、なんだか「焼きたてのたこ焼き」でも食ってるみたいな感覚です。
f1.4 1/1600sec iso100
収差について
歪曲はいわゆる「樽型」で、画像中央から円形に膨張するような歪みがあります。
ただ、カメラ側の補正機能や、画像処理ソフトで修正することで簡単に解消されます。
本レンズは、カメラ内部の補正機能を前提として作られていますので、この点について特にネガティブな印象はありません。
問題は色収差で、これが結構やっかいです。
f1.4 1/1000sec iso100
絞り開放ではパープルフリンジが目立つし、絞っても画像の隅は滲んで見える。
この辺りの抑え込みが甘くなっているのは、補正がそれほど追求されていないからなのでしょうか。
このレンズが「SIGMA 16mm F1.4 DC DN」や「SIGMA 56mm F1.4 DC DN」よりも価格が安く設定されているのは、そんな部分にコスト削減がなされているからだと見ています。
「SIGMA 30mm F1.4 DC DN」が「Artラインのレンズに匹敵する画質」と言うのは、非常に苦しいところです。
どうしても他の2本と比較して、画質としての性能が1歩劣る感じがします。
その辺りの価格を低くして、間口を広げる戦略だったのかもしれませんが
個人的にはもう少し強気な価格設定で、性能面を攻めてもらいたかったと思う結果でした。
f9 1/160sec iso100
最後に
フォローになってしまいますが、色収差以外の点についてはSIGMAらしい綺麗に整った描写です。
特にキレのあるシャープさは特筆すべき点だと思います。
個人的には、収差はレンズの個性と捉えているので、決してマイナスに受け止めているわけではありません。
収差が残っているからこそ良い写りになることだってあります。
しかし、感じ方はそれぞれですし、本レンズのコンセプトや位置付けを考えたとき、これを良しとは言い難いです。
ひとつ言えるのは、ただただ絞り開放ばかりで撮るようなレンズではないなと思います。
単純に「初心者におすすめなレンズ」ではなく、場面で絞りを調整する必要性を学ぶ「初心者を鍛えるレンズ」と言う意味でおすすめなのかな。
ご観覧ありがとうございました。
ほんならまただわ!
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