購入してそろそろ1年が立ちそうです。
「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」との関わりも交えながら、この「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」について書いてみたいと思います。
Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)
αEレンズとしては長らくベンチマークを引率してきた「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」ですが、2016年になって「FE 85mm F1.4 GM」や「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」の登場でその任を解かれることとなるのでしょうか。
競合他社との激戦をくぐり抜け渡り合ったことに敬意を表したいと思います。
とは言え、まだまだ現役として上記2本のプレミアムなレンズとも明るさ以外では引けを取らないトップクラスの性能だそうです。
個人的にはE24mmとそうそう変わらん印象ですが世間ではトップクラス!なんだからトップクラス!なんでしょう。
そんなFE55mmですが、僕の手元ではどうかと言うと、α7IIに付ける機会があまりなく、活躍の場がないような状況だったわけです。
そもそもの理由として、持ち出すレンズをなるべく少なくしてシステムを組むと、僕の場合50mmの画角を真っ先に省く傾向にあるからです。
またひとつ防湿庫の番人を増やしてしまったなぁと、後ろめたい気持ちでいたのですが、α6300を導入し4K動画撮影を始めたことをきっかけにシステムの主力として使えることに気付いた時は正直嬉しかったですね。うんうん。
Aps-cフォーマットだと換算82.5mm、Super35mmフォーマットだと換算99mmの画角になります。
中望遠、いいじゃないか!
α6300などのAps-cサイズ機とのバランスも良いですね。
何より色んな意味で外に持ち出し易いもの
「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」と「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」を並べてみるとしっくりきますね。
この2本のレンズは、デザイン・性能・サイズをバランス良くまとめたレンズシリーズだと思うのです。
(Aps-c専用のVario-Tessarも含まれると思いますが持ってないのでここでは割愛)
写真を撮るまでの過程には、レンズを選ぶ、持ち歩く、といった行動が伴うわけですが、その辺りの過程について注目してみるとこのレンズシリーズの魅力が分かり易くなるかもしれません。
・価格は廉価でもピントリングに凹凸のないツルツルで消しゴムのようなゴムが巻かれ、握るとギシギシ言うぐらい貧弱な樹脂製の鏡胴。
そんなレンズ、モチベーションがひとつも上がらん。
・写りは最高峰だけどサイズ質量は大きく重く、価格が10~20万円もする高級品。
そんなレンズ、毎回持ち出すつもりなら気疲れしちゃって撮影どころじゃない。
このレンズシリーズは上記の廉価レンズと高級レンズの欠点を改善した、安っぽくなく高過ぎず、ちょっと贅沢なレンズ。
軽量コンパクトなので持ち運びに負担もないし、シンプルなデザインで金属製の鏡胴と小洒落ていて、なんか良い写真撮れそうで気分も上がる、実際写りもそれなりに良い。
つまり、選ぶことに躊躇わない、持ち出すことに躊躇わない
α7II + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
f1.8 1/4000sec iso100
価格は高めなプチ高級路線
価格はやっぱり高めかな?
FE55mmについてはフルサイズ対応ではあるけど競合他社と比べてしまうと割高な印象はありますね。
文句あるならFE50mm買えや!と言われそうですが。
同じくらいの価格なら他社だとフルサイズで写りも更に良いレンズがあったりする・・・かもしれません。
性能は十分優秀な上で更に写りにこだわるかそれ以外の部分を伸ばすかの違いがあると言うことです。
このレンズシリーズは「それ以外の部分を伸ばす」方に価値を追求したのだと感じています。
α7II + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
f1.8 1/125sec iso100
なぜ高めの価格なのか
前回「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」でも書きましたが、それに追加するとすれば、このレンズシリーズが醸し出す「少し気取って撮る」雰囲気だとか、たぶんその辺りの演出料金が入っているのだと思うしかありません。(笑)
しかし、そう言った雰囲気作りも撮る気にさせるのならあながち馬鹿にできないと思います。
買ったは良いが防湿庫で永久に留守番させてしまうことによって自己嫌悪に陥るような僕みたいなタイプは、「使うレンズ」であることが結構重要なわけです。選び持ち出すレンズであることは使うレンズであるので、それだけで価値があります。
つまり、「持ち出しやすさ」「雰囲気作り」と言う一見レンズの写りに全く影響しないような部分も評価に値するなら検討の余地があると思います。
反対に、外観は安っぽくても構わない方や描写性能重視の方には満足いただけない可能性が高いです。
今後は、純正やサードパーティー製からも続々とラインナップが充実してくるようですし、それにつれて今よりお求めやすくなるのではないかと想像しています。
現にPlanar FE 50mmが登場してE 55mmの価格は下がってきていますね。
写りばかりに執着してしまうと、正直しんどい時もあるものです。肩の力を抜いて、撮るまでの過程も楽しめるレンズとして捉えてみては如何でしょうか。
兄貴である(弟かもしれないけど)「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」とは打って変わってフルサイズレンズとなります。(その辺りで評価が別れたのかな?)
その点で「高性能でコンパクト」をコンセプトに生まれたレンズとして非常に完成度が高い印象です。
フルサイズで活躍しているFE55mmを見てE24mmは何を思うのか・・・。
E24mmの気持ちを察するに複雑でしょう。
「弟よ、随分遠くに行っちまったなぁ・・・」
そっと肩に手を置いてやりたいと思います。(肩はないのでピントリングをグリグリと・・・)
画角はAps-cですと36mmと82.5mmの画角になります。
そして、Super35mmですと43.2mmと99mmの画角になります。
広角と中望遠だったり、標準と中望遠と言う関係性がまた良い。
フィルター口径もどちらも49mmなのでNDフィルターなどを共有で使えます。
α7II + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
f1.8 1/160sec iso100
Sonyさん、このシリーズをf1.8のキープコンセプトで14mm・16mmと展開してみてはどうでしょうか。
結構良いと思いますよ僕は。
14mmでf1.8のレンズを作れたなら、僕は立ち上がって拍手喝采ですね。
さすがSonyさんだ!素晴らしい!と
このサイズなら2、3本持って出かけても苦にならないですからね。
例えば、
14mm・24mm・55mmとかね。
24mm・55mm・Vario-Tessar E 16-70mmとかね。
Vario-Tessar E 16-70mmかぁ、なんか欲しくなってきたなぁ(笑)
いかん、いかん、Sonyさんに踊らされるとこだった。
Vario-Tessar E 70-300mm F4とか・・・出たりしないかなあ。
まあ、Sonyさん是非とも検討されてみて下さい。
α6500が出たら確実に需要がありますから。
動画撮影としては
中望遠になってくるとですね、ジンバルに乗せて移動しながら撮ると、ある程度遠景を撮る分には良いですが、近景を撮ってると結構風景の流れが速くて船酔いならぬ映像酔いするものになりますので、その場でじっくり撮るのが向いてるように感じました。
やはりα6500の手ブレ補正を効かせて手持ちで撮影する、なんてのも良いかもしれません。
AF静音性や携帯性、ジンバル適合性については24mmと同じく申し分ないです。
α7II + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
f1.8 1/2000sec iso100
最短撮影距離0.55m
あんまり寄れないのが唯一の欠点ですかね。
僕は気にしてないのですが世間では寄れないことに不満があるそうです。
寄れない場合はE24mmを使うと良いですよ?
そもそも50mm辺りの画角は寄って撮るものなのか疑問ですが、Aps-cで使えば82.5mmの画角で寄って撮れますよ?
え、そう言う話しではなくて?
α6300 + Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
f1.8 1/2500sec iso200
最後に
「え~?なんだ、このレンズはあんまり写り良くないのか」
いやいや!そーじゃないです!
そう思われた場合は僕の伝え方が悪かったです。(汗)
写りは優秀です。「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」に関しても同じです。
十分な性能を確保した上で、もう一歩踏み込む方向性として、更に写りを良くするのか他の部分を磨くのかでいくと、このレンズシリーズの場合は後者だと。
そして、その「もう一歩」の方向性とはこの辺りじゃないかなと言う話しです。
決して「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」や「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」を低評価しているつもりはありません。
優秀であるのは間違いないが、魅力の捉え方を間違えると他のレンズより見劣りして見えてしまうかもしれない。それはもったいない話しだ。
そういったことをお伝えしたかったわけです。
勿論、個人的な意見なので他の方にとっては異なる印象かもしれないのは言わずもがな。
「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」を使った動画を貼っておきますので、よろしければご覧になって下さい。
ご観覧ありがとうございました。
ほんならまただわ!