「SIGMA 56mm F1.4 DC DN」を実際に使用して撮影した写真を掲載していきます。
今回は、本レンズの描写性能について、印象に残ったことをお伝えします。
本記事に掲載している写真は、α6500を使用し、ピクチャープロファイル経由のJPEG撮って出しデータをもとに、後処理は、リサイズ、露出のみの調整にとどめています。
これは、良くも悪くも「レンズ性能そのまま」をなるべく損なわない形で掲載するためです。
皆さんにとって、レンズ選びの参考のひとつになれば幸いです。
f1.4 1/250sec iso100
ボケについて
ピント面から、なだらかにボケていきます。
この「なだらかにボケる」ことは結構重要で、ピント面から急激にボケてしまうと、前景や背景から被写体を切り離し易くなる一方で、前後の関連性が失われて、合成写真のような違和感が出ることがあります。
本レンズでは、なだらかにボケることで、被写体の厚みを感じさせながら立体的な描写を生み出します。
ボケ自体も丁寧です。整っていて美しく、SIGMAらしい印象です。
若干、レトロな雰囲気も感じなくも、なくもない。
f1.4 1/250sec iso320
シャープさについて
絞り開放からシャープです。
ただし、ピントがどこに合っているのか分からないことがあります。
ソフトフォーカス気味でピントが甘く見えていると思ったのですが、他社製55mmレンズと撮り比べをしてみたところ、ソフトフォーカスどころか、本レンズの方が抜群にシャープでした。
疑ってごめんなさい。
そのピント迷子問題ついて、レンズ以外の要因にも思い当たることがあので、この辺りの原因は今後も追ってみようと思います。
f1.4 1/400sec iso100
収差
歪曲収差は「糸巻型」で、画像が中央に引っ張られるようなゆがみが出ます。
なかなか強めにゆがんでいる印象ですが、そもそもこのレンズの歪曲収差と周辺光量は、カメラボディ側のレンズ補正機能(電子補正)の使用が前提として作られているようなので、レンズ補正機能を有効にすることで解決されるはずです。
僕は、「収差はレンズの個性」と受け止めているので、カメラボディ側のレンズ補正機能は無効にしています。必要があればLightroomで後処理をすれば良いと言う考えです。
なので、この記事に掲載されている写真は、収差を補正されていない「そのまんま」になっています。
「電子補正しなければ、まともな写りにならないのか」と残念に思われるかもしれませんが、それは大きな誤解です。
レンズ収差はほとんどの場合、画像処理ソフトなどによる電子補正で必要十分な修正が簡単にできる時代です。
f8 1/100sec iso640
電子補正が前提であることのメリット
SIGMAのレンズで、光学的に収差を補正したのが「Artライン」や「Sportsライン」となります。
カメラボディ側に、ある程度の収差補正を任せることで、その「光学的に高性能なレンズ」に収差補正として必要だった部材を削減し、結果として、小型軽量化やコストダウンを実現させたのです。(たぶん)
それが本レンズです。
つまり、収差を電子補正で行うことによって、我々ユーザーは「Artレンズ」に匹敵する高性能なレンズを小型軽量かつ低価格で購入することが出来るようになりました。
f1.4 1/640sec iso100
他社製品でも、こう言った「電子補正を前提としたレンズ」はよくあるのですが、他社とSIGMAの決定的に違うと感じるのは、他社なら「コンパクトなのに高性能」は単なる謳い文句ですよ。そんなの我々ユーザーだって分かってます。
だけど、SIGMAの言う「Artライン」に匹敵する高画質はマジなんです。そういう事を平気でやるメーカーなんですよ。
撮った写真をパソコンで拡大して、確認すればするほど僕は傷ついたもの。
「今まで大枚をはたいて買ったレンズは何だったの?」って。
どうだこれ、いや問題だなあ、価格破壊じゃないか。
だって、他社のレンズをうかつに買えなくなちゃったもんなあ。独占か?独占?
皆さんどう思いますか?
おかしいでしょ?
ご観覧ありがとうございました。
ほんならまただわ!
f1.4 1/4000sec iso200
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